「石川九楊大全」展記念
石川九楊の代表作『歎異抄№18』に書き込まれた音を取り出し、楽曲化した世界初のプロジェクト
書とは「筆先と紙との摩擦によって繰り広げられる筆蝕の劇」であり、
また筆蝕は書き進む力「速度・深度・角度」からなる──(石川九楊)。
本プロジェクトはこの書論に依拠し、石川九楊の書『歎異抄№18※』の一点一画の筆蝕をそのままデータとして取り出し、楽曲とした画期的な試みです。
おりしも、2023年は親鸞聖人の生誕850年、同じく2024年は浄土真宗立教開宗800年という歴史的な年にあたります。石川九楊みずから「生涯の代表作」と位置づける「歎異抄№18」、その「書の音楽化」による新たな表現世界を体感いただきます。
「歎異抄№18」1988年、92×57cm
2024年6月14日(金)18時開演(17時30分開場)
旧東京音楽学校奏楽堂 東京都台東区上野公園8ー43
『歎異抄№18』の一点一画を計測・解析・数値化し、取り出した音データを用いて、「電子音楽奏」と「弦楽四重奏」の異なる二つのヴァージョンにてお聴きいただきます。
Ver.1 電子音楽奏 by スコット・アレン
Ver.2 弦楽四重奏 by カルテット・オリーブ
挨拶 石川九楊「書は音楽である」
解説 スコット・アレン
※会期は終了しました
一般:3000円/学生:2500円/(全席自由・税込)
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石川九楊(いしかわ・きゅうよう)
書家。京都大学法学部卒。京都精華大学教授、文字文明研究所所長をへて、現在、同大名誉教授。批評家としても活躍し「書は筆蝕の芸術」であることを解明、書の構造と歴史を読み解くとともに、〈筆蝕論〉〈二重言語国家・日本〉〈肉文字論〉などに代表される論考は、日本語論、日本文化論など各界に大きな影響を与えている。
※作品「歎異抄(たんにしょう)№18」
親鸞の言葉をまとめたものとされる「歎異抄」を文庫本一冊まるごと書作品として書きあげ、その思想に触れた石川九楊の代表作の一つ(1988年作)。この作品を書きあげた時から「いつかこの作品を音楽としてオーケストラで奏でてみたい」との思いを強く持っていた。今回のプロジェクトで、その実現化の第一歩を踏み出すこととなる。
スコット・アレン(Scott Allen)
像楽家、生像作家。京都精華大学メディア表現学部講師。2016年情報科学芸術大学院大学(IAMAS)修了。人の想像力と視覚装置やテクノロジーの関係に着目し、投影装置の仕組みに物理的に介入し変調したり、日用品に手を加えることで像を作るスタイルでインスタレーション制作・パフォーマンス活動を行なう。また、深層学習を用いた作品制作やAIと協奏するライブコーディングユニットAi.stepとしてもライブ活動を行なう。
カルテット・オリーブ(STRING QUARTET OLIVE)
藝大フィルハーモニア管弦楽団奏者である4名により、ベートーヴェン生誕250年にあたる2020年に結成。3年をかけて、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全曲演奏に取り組んでいる。22年には「松下 功メモリアルコンサート」にて氏の弦楽四重奏曲を演奏、その模様はNHK FMで放送され、ライブCDにも収録されている。
ヴァイオリン:澤 亜樹・福﨑雄也、ヴィオラ:阿部 哲、チェロ:山澤 慧
プロジェクトスタッフ(計測・解析・数値化):スコット・アレン、京都精華大学メディア表現学部メディア表現学科イメージ表現専攻Latent Media Lab.(足立葵唯、岩前皓太、濱口竜馬、馬場一綺、廣瀬茅香里、藤田麟太郎、宮本萌希、與那嶺若奈)、堤本禮太/アドバイザー:小松淳史/監修:塚田哲也